誰もが必要な情報をスムーズに得られる公式サイトに
ユーザーの属性を問わないサイト構成とUIデザインを実現
守谷市役所
誰もが必要な情報をスムーズに得られる公式サイトに
ユーザーの属性を問わないサイト構成とUIデザインを実現
- 導入内容
- サイト内検索との連携により最低限の設問用意で実装したチャットボット。職員による1対1のコミュニケーション対応時間削減と住民サービス向上の両方を叶える「ユーザーが課題を自己解決できるサイト」が実現。
- ご利用サービス
- Cogmo Search、Cogmo Attend
茨城県の南西端に位置し、周囲を利根川、鬼怒川、小貝川に囲まれた守谷市。豊かな自然に恵まれながら、つくばエクスプレス快速で秋葉原駅へは約30分。東京のベッドタウンとして人気を集め、「住みよさランキング」で毎年上位にランクインするなど、めざましい発展を遂げています。守谷市役所が近年注力するのが、DXの推進。令和3年にデジタル戦略課を設置し、行政手続きのオンライン化をはじめ戦略的に取り組まれています。令和6年2月には、5年ぶりに公式サイトのリニューアルを実施。その一環で、「Cogmo Search」「Cogmo Attend」を採用いただきました。今回は、Cogmoサービス導入の目的や得られた成果、今後の展望などをうかがいました。
ご担当者様
-
守谷市
市長公室秘書課
シティプロモーショングルーブ
係長 田嶋 浩太郎さま -
守谷市
市長公室デジタル戦略課
情報政策グループ
主任 篠崎 幹人さま
変化するニーズに対応すべく、公式サイトを一新
守谷市の公式サイトを最後にリニューアルしたのは平成29年度ですが、5年経過したことで、急速に変化するニーズや、高度化するアクセシビリティ、ユーザビリティに配慮できていない状態でした。そのような状況のなか、「誰もが必要な情報にたどり着きやすいサイト」の必要性が高まり、リニューアルを実施することになりました。
大きく改善を求められたのがSEO対策とサイト内検索です。民間企業と違い役所はターゲットを絞ることができません。そのため従来のサイトのページ数は10,000以上に及び、「行きたいページにたどり着けない」という声が内部からも相次いでいたほどです。
また守谷市役所は人口に対する職員数が少ないため、電話や窓口、メールなど1対1のコミュニケーションに時間を割かれ、事務のDX化が進んでいませんでした。よって「ユーザーが課題を自己解決できるサイト」を構築することは、マクロ的にも住民サービス向上につながると考えました。
サイト像は「ITリテラシーや属性を問わないこと」
公式サイトのリニューアルにあたっては2点を軸としました。1つ目は、ユーザーが得たい情報をすぐに得られることです。市の公式サイトは、ユーザーが情報収集したり、困りごとを解決したりと受動的なメディアと言えます。そのためITリテラシーに関係なく、誰もがスムーズに情報を得られ、自己解決できるサイト構築を目指しました。
2つ目はユーザーの属性を問わないサイト構成とUIデザインです。市の公式サイトのユーザー層は若年世代から高齢者、障がい者、外国語話者など多岐にわたります。そのため、さまざまな属性を持つユーザーが「自分の探していた情報」を認識しやすいUI・導線を複数用意しました。
すべての課題を解決できるのが、
Cogmo SearchとCogmo Attend の連携だった
従来のサイト内検索は表記揺らぎに対応しておらず、また自然文検索ができなかったため、行きたいページにたどり着きづらいのが弱点でした。そういった弱点をカバーできるサービスを探す中、出会ったのが「Cogmo Search」です。先進自治体である神戸市さんが導入していたことが関心の入り口でしたが、検索精度が高く、多様なユーザーにとって扱いやすいシンプルなUIに大きく惹かれました。検索ボタンを選択してから結果が表示されるまで、検索中であることを示すアニメーションがあるのも好印象でしたね。
またCogmo Attendと連携できることも選定した理由の1つです。チャットボットとFAQツールの導入も検討しており、数あるサービスの中でもCogmo AttendはUIが美しく、表記揺らぎにも強い印象を受けました。さらにCogmo Searchとの連携により登録設問数を100程度に抑えられるうえ、回答できなかった質問を離脱せずにサイト内検索結果として表示できるのも魅力に感じました。
つまりは2つのCogmoサービスの導入により、「ユーザーにとって使いやすい」「正しい情報を届けられる」「管理がラク」という贅沢な悩みをすべて解決できると捉え、導入を決定しました。
ミーティングや研修をはじめサポート体制にも満足
Cogmoサービス導入は非常にスムーズに進んだという印象です。アイアクトさんとのやり取りも終始1つの窓口で対応いただけたので安心感がありました。また随所でWEBミーティングを開いてくださったのも心強かったです。
チャットボットに関しては、ヒアリングシートに情報を入力するだけで済んだため、私たちの負担はほとんどありませんでした。強いて言うと、庁内に対してチャットボットに100問程度しか構築しないことを理解してもらうのが大変でしたね。行政は心配性な職員が多いため、「チャットボットを入れるぞ!」と号令をかけたことで、想定よりもQAが多く集まってしまったんです。
実際にチャットボットを運用して見えたこととして、設問数が100を超えると、鮮度の高い情報を維持するのは困難とわかりました。したがって、サイト内検索との連携ありきでチャットボットを導入したことは大正解だったと思います。
Cogmo Attendは自然言語処理に優れているので、ユーザーの自然文での質問にも対応しています。そのため目的のページへの到達率が向上したうえ、サイトからの離脱率減少に効果を発揮しています。一方で、AIのメンテナンス画面は馴染みのないUI であるため、一見尻込みしてしまったのも事実です。とはいえアイアクトさんからは、全8回のシステム研修を実施いただけたので、問題なく運用できています。
閉庁時間、閉庁日においても検索需要が高いことが判明
サイトを公開した翌月にサービス利用ログを確認したところ、AI検索Cogmo Searchの時間別利用割合では18時〜8時が26.2%、曜日別では土曜日が9.3%と、閉庁時間や閉庁日においても検索需要が高いことがわかりました。また検索文の割合では、8%(13人に1人)が文章で検索していることがうかがえます。
※2024年3月中利用ログ数:11,150件より
※無作為5日分ログ数:5,002件より
AIチャットボットCogmo Attendの利用割合を見ると、閉庁時間での利用は36.1%、閉庁日での利用は12.9%という結果でした。
※2024年3月中利用ログ数:3667件より
住民に一人ひとりに寄り添ったデジタル改革を目指す
行政のデジタル改革にあたり、今後注力したい取り組みは4つあります。1つ目は「徹底したSEO対策」です。公式サイトはプル型メディアであるため、検索サイトの評価によってリーチ数が変わってきます。さらにChatGPTの登場により、「いかに機械に検索されやすいか」がますます重要になってきます。そのためGoogle Lighthouseなどでサイトの評価や改善点を分析しながら、改善を図っていきたいですね。
2つ目は「カスタマージャーニーに則った検証」です。デジタル社会の発展により、行政と住民の接点が多様化する昨今では、カスタマージャーニーに基づいた効果検証が有効と言えます。したがって住民と行政の接点を棚卸し、行動経済学を活用しながらUX・CXを改善していきたいと思います。
3つ目は「住民接点管理」です。プル型メディアの効果を最大化するには、どのメディアで認知を獲得し、どういった導線で住民の課題解決につなげるかを整理することがカギになります。よって公式サイト管理にとどまらず、他のメディアでの周知といった部分まで携わることで、住民の満足度は向上するでしょう。
4つ目は「電子申請・提案型メディアの構築」です。ユーザーが公式サイトを見る目的はズバリ「問題を解決したいから」に尽きます。守谷市へ申請が必要なものであれば、申請から審査、承認、決済までWEB上で完結するように改良することで、双方にとってのコスト減につながるはずです。また、真の住民に寄り添った行政になるためには、個別最適化された情報提供や課題解決を行うことも求められてくると考えます。
Webサイト:守谷市公式サイト