Cogmoチーム島にちゅら瓜のクリスマスリースを飾りました。実が赤くなるのを日々観察している、星です。
人によってかなり違う?AIチャットボットの印象
人によってAIチャットボットの印象はかなり違います。
「全然使えない」という意見や「想像以上に利口」という真逆の感想を聞くことがありますが、これは機能面の差だけではありません。会話の設計有無、サービス内容の曲解、自動学習という言葉の響きからの拡大解釈もあるようです。
AIチャットボットが出てきてまだ数年、既成概念としてその賢さが世間に浸透する手前の段階です。個々人の期待値にバラつきがあるので利用者の評価も様々と違ってきます。AIチャットボット導入前に、きちんとAIの特性について知っておきたいですよね。
ということで今回は、AIチャットボットの特性を「苦手なこと」と「得意なこと」に分けて、誰にでも分かりやすくご紹介してみます。
AIチャットボットの苦手なもの
【新しい判断】
学習したことがない質問への回答は出来ません。
学習済みのAとBには答えられても、学習していないCについては答えられません。また、ひらがなの多義語や、本来の意味と別の意味をもつカタカナ語などについても、学習が必要です。
「サービスはありますか」⇒値引き?オマケ? 価値提供としてのサービス?
「ケアできますか」⇒お世話や介護ができる? 心配や心づかいができる?管理できる?
「かけることはできますか」⇒電話をかける?橋をかける?コートをかける?水をかける?
人であれば、前後の文脈や暗黙知から理解できても、AIは判断できませんので、係る学習が必要です。
【配慮や遠慮や気遣い】
しないです。
言い換えると、利用者側も遠慮せずに、いつでも何度でも聞けるのです。人に聞くには躊躇する、わざわざ手間かけてもらうほどではない、聞くと回答が返ってくるまで時間がかかる、以前聞いたのに失念した、という質問は、AIチャットボットなら気を遣わずに聞きやすいですね。
【言葉にしにくい暗黙知】
言語化できないものはお手上げです。
成果を挙げる営業マンは何が違うのか明確にし汎用すれば数倍の成果が挙がるはず。
ところが、知りたいノウハウは「勘・コツ・タイミング」など、本人も言語化や可視化しづらい部分も多いです。マニュアルに沿った説明やルール、ビジネスマナーはチャットボットで提示できても、言葉で説明できない暗黙知(相手への共感力、課題把握の能力、信頼を得る言葉選び、絶妙で率直な質問、頼りになると思わせる印象など)は言葉にしなければ理解できません。
これからは、企業の属人化された暗黙知をいかに形式知へ移行できるかというナレッジマネジメントが競争勝ち残りの鍵となりそうですね。
AIチャットボットの得意なもの
【単純な判断】
定型化されたものを判断するのは得意です。
【共通点を探す】
関連性を学習すると応用力が高まります。
【高速で大量に処理】
複数同時も大量高速もお得意です。
AIは、数百万~数億の書類または数値を読み取り判定。予め作成したAIモデルにデータ照会し、システムで高速判断します。AIチャットボットの場合、大量の問合せも短時間で均質な応答が可能です。
【曖昧な表現でも判断】
キーワードとなる単語が含まれていない文章も、吸収理解できます。
「何をやっている会社なの?」⇒「会社概要についてですね」と判断
「年末調整で提出する保険のアレ」⇒「保険料控除証明書のことですね」と判断
全ての会話をシナリオ化するのは大変ですが、AIチャットボットなら、途中で話題が変わっても、曖昧な表現も吸収し、適正な応答を返すことができます。
※特徴や得意点の抽出
AI自体の得意なものとしては次のようなものがあります。
有名画家の作品を読み込み、その画家が描いたかのような絵を描く。ある人が書いた文章を読み込ませ、その人の性格を導き出す、入社後に活躍した人の履歴書やエントリーシート内の文章から採用判断のポイントを導き出す、毎日のトマト画像から成長予測し収穫時期を特定する、など、統計的に特徴を抽出することができます。人ができる作業であっても、正確性を求めると多大な労力がかかったり、人ならではの経験や先入観で認知バイアスがかかり、本来の特徴に気づけない場合もあります。このような時はAI(統計)判断が有効です。
AIチャットボットをどう活用するか
AIチャットボットの苦手なこと、得意なこと、どう利用したらよいのかイメージが沸いてきましたか?
「よくある問合せ(頻発する同義質問)」の対応はすぐに任せることができますね。問い合わせる利用者側は、均質な精度の答えをいつでも得られて待たされない、というメリットがあり、対応する側としては、人が本来対応すべき問い合わせにのみ集中できるので、労働生産性もCS向上もはかれるメリットがあります。そして双方に時間短縮効果があります。
また、AIチャットボットなら、会話の途中で選択肢を提示し分岐しながら目的の回答へ導く、情報システムなどの複雑な条件や専門的な質問にも適切に返答可能です。
但し、「AI」だからといって、育てないことには意味がありません。
とても優秀な人材を採用しても、教育をせずに「使えない」と言ってしまうことと同様です。得意な点、人間よりも優れる部分を成長させることにより、その価値は増大します。
誰にでもできる業務の代替利用というところからスタートしたAIチャットボットは、現在では、テキスト会話やリンク提示だけでなく、会議室予約や勤怠管理をしたり、FAQシステムと連携、音声認識と組み合わせて更に利便性を高めたり、会話内容からマニュアルのページ検索結果をチャットで提示したり、会話からの取得データを業務自動処理システムに回して完全自動化する、など別のサービスと連携することで幅広く応用されています。
企業独自の課題解決において、あらゆる可能性をもつAIチャットボットを活かせること、ひいては、企業の大切な人材を活かすことにつながります。
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