2022年に米IBM社より「IBM Champion 2022 for Data & AI」の認定を受けた弊社・西原の活動として、松江工業高等専門学校(以下、松江高専)の情報工学科4年生向けに2022年度より新設された「データサイエンス概論」の授業2コマを特別講師として担当いたしました。
|
実際の授業の様子
|
文部科学省では数理・データサイエンス・AI教育プログラムに認定制度を設けるなど、大学、高等専門学校で基礎的な能力の向上を図っています。松江高専でも1-3年生でプログラムを設ける他、情報工学科4年生向けに授業を新設され、さらなる教育の充実を目指されています。
その中で、『データサイエンス・人工知能の最新技術を学び、演習を交えてデータサイエンス・人工知能の概要を理解する』というテーマを頂戴し、2022年12月に2回、「機械による文章の分類・意図理解」をテーマに、IBM Watsonを用いてオンライン講義を行いました。初回授業では38名の学生全員が実際にWatsonを操作し、入力された文章が機械により分類されること、その分類結果を用いて自動応答を返すことを体感。初回授業の課題と2回目の授業では10チームに別れ、それぞれのチームが自動応答させたい対話をWatsonで構築しました。構築した自動応答は異なるチームがテスト、改善が必要な点を洗い出し、改善を施すという、実際のサービス開発の流れも学んで頂きました。また、授業の最後には「機械がなぜ文章を分類できるのか?」という肝要なポイントを実例を用いて講義しました。
|
他のチームが作成した自動応答をテストし改善する
|
今回、学生達がチームで作成した自動応答には、松江高専について、下宿先について、島根県について、選挙についてなど内容は様々でレベルの高いものも。講義をおこなった西原も「AIを当たり前のように活用できる人材が島根からもたくさん出てくる」と地元への期待を大きくしていました。
【学生の声】
●今回の授業では、これからもっと発展していくだろう技術であるAIの原理や学習方法など、様々な興味深いことを学ぶことができ、とても有意義な時間になった。
●思わぬ単語で引っかかって間違った回答をしてしまったり、学習させる例文を工夫することで正しい回答をさせることができるようになったりなど、機械学習の難しさを実感した。実験科目で行った機械学習と同じように、学習させる際の曖昧さやどのようにすれば的確な特徴を抽出できるかということを考えるのはとても楽しかった。人工知能技術に対する興味がさらに沸いた。
●今回の演習で、企業の方が実際に使っているチャットボットの会話開発環境でAIの開発を行うことができ、とても貴重な体験をすることが出来た。
●曖昧な文章でも判定してくれるWatsonの凄さを感じましたが、同時に類似する文章の分岐も難しかったです。GPT-3に代表される大規模言語モデルの進歩はTwitterなどで目にしていますが、今後どのような進展を遂げるのかが気になります。
●中学校の時「りんな」を使ったことがありました。いろんな質問にいろんなパターンで返答が帰ってきて暇つぶしに使っていたのですが、今回授業で軽く作成をしてみてこんな風に作ってたのかと少し感動しました。チャットボットを作成するうえで案を出しながらグループで楽しく作成することができたので楽しかったです。
●授業の最後に挙げられたように、「東京都に住んでいます」のような人から見ると単純な文章でも、本来は何通りも読み方が存在する。それらを膨大なデータを用いて文脈の通る読み方で読むことは高い技術が必要なことが分かった。
アイアクトでは、様々な講演や授業のご依頼を承っております。教育現場、企業内研修、自治体主催セミナーなど、講演実績も多数ございます。