みなさまの会社で DX は進んでいますか?
「DX」は正しく理解しないと非常に危険な言葉です。せっかく作った DX 推進室が成果を出せずに解散してしまったり、情シス部門が DX 施策で疲弊してしまったり、最近、悪い話を耳にすることが増えてしまいました。
そこでこの記事では、「そもそも DX とは一体なんなのか?」、「どのように取り組めば良いのか?」を考えてみたいと思います。
目次:
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DX はデジタル トランスフォーメーションの略です。
言葉の意味をご説明したいところなのですが、言葉の乱用がひどく、もはや言葉の意味がなくなってしまいました。人によって解釈がマチマチで、しかもどれも正しかったりするので、とても一言では説明できません。
当初はここまで混乱してはいなかったのですが、国の狙いと IT を提供するベンダー企業の思惑がズレてしまい、IT を利用するユーザー企業の勘違いも多発して、非常に混乱した DX ブームが起きてしまったのです。
DX を正しく理解するためには、DX ブームが起きた頃を振り返って、この混乱の原因を知っておくことが大切です。そこでこの章では、 DX ブームのきっかけとなった 2018 年の「DXレポート」に立ち返ります。
日本における DX ブームのきっかけは、2018 年 9 月に経済産業省が発表した「DXレポート」です。このレポートは「日本はこのままだとマズいぞ!」と警鐘を鳴らしたもので、非常に衝撃的な内容だったために注目を集めました。
🔗経済産業省「DXレポート」
~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
以下、このレポートの内容を、一部最新の情報も交えながら簡単にまとめます。詳細については、上のリンクからダウンロードできる「DXレポート」をご参照ください。
海外では、IT を活用して業界の常識を変えたビジネスがたくさん生まれています。
例えば、EC サイトを大きく変えた Amazon、タクシーの運転手と顧客をつないだ Uber、家や部屋を宿泊場所として提供できるようにした Airbnb など、業界を変革したビジネスの成功事例を皆さんも耳にしたことがあるかと思います。
しかし、日本の大半の企業では IT 技術の活用が単なる業務の効率化に留まってしまい、なかなか新しいビジネスが生まれません。このままでは日本は世界から取り残されてしまいます。
実は、大半の日本企業は既存ビジネスの IT システムでいくつもの課題を抱えており、新しいビジネスどころではありません。
新しいビジネスが生まれにくい原因の 1 つは、既存のシステムの中にあるデータが、他の目的で活用しにくいことです。システムが事業ごとに分かれていて、その業務専用に作られているために、中のデータを新たなビジネスで使いにくい状態なのです。
多くの日本企業では、ビジネスの核となる業務のシステム化を 10 年も 20 年も前に実施済みです。それ以降はこの大昔に作った基幹システムに対して、秘伝のタレのように継ぎ足し継ぎ足しで機能の追加や改修を繰り返し、ずっとずっと使い続けています。
このような状態のため、システムは非常に複雑でわかりにくいものになっており、維持にもかなりのコストがかかってしまっています。
次の図は、日本情報システム・ユーザー協会による企業の IT 予算配分の調査結果です。「ラン・ザ・ビジネス」がシステムの維持管理の予算、「バリュー・アップ」がシステムの価値を上げるための予算を示しているのですが、これを見ると、なんと 8 割近くが現行システムの維持管理に使われてしまい、新しいビジネスに挑戦する余裕のないことがわかります。
(出典)一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会 🔗「企業IT動向調査報告書 2020」より
さらに悪いことに、この秘伝のタレに詳しいベテランの方の退職時期が迫っています。昔のメインフレームと呼ばれる動作環境に COBOL などの年代物の開発言語、そして継ぎ足し継ぎ足しで複雑化した仕様、これを若い世代へ引き継ぐのは大変です。
そこに追い打ちをかけるのが、使っているメインフレームのメーカー サポートの打ち切りです。たとえば富士通は 2022 年 2月に、メインフレームの保守を 2035 年度末に終了することを発表しました(🔗社会課題解決と新たな価値を創出できるコネクテッドな社会を実現するデジタルインフラ基盤の提供について)。
メーカーが撤退してしまうとシステムの運用・保守ができなくなってしまいますので、該当する会社では何かへ移行しないといけません。
ソフトウェアもメーカーのサポートは永遠ではありません。例えば経営資源を統合管理する ERP システムでシェアが高い SAP ERP も、2027 年には標準サポートが打ち切られ、追加費用を払う延長サポートも 2030 年で終了します(🔗SAP Extends Its Innovation Commitment for SAP S/4HANA, Provides Clarity and Choice on SAP Business Suite 7)。
「SAP 移行」などのキーワードでネットを検索すると、移行の方法論や失敗事例、大手 IT ベンダーの移行ソリューションなどがたくさんヒットします。このことからもわかるように、基幹システムの移行はかなり大変な作業になります。
これらの問題を解消するためには IT エンジニアが必要ですが、その人材不足も深刻です。
経済産業省、厚生労働省、文部科学省の三省連携による「IT 人材需給に関する調査」では、すでに 2018 年時点で IT 人材が 22 万人不足しており、2030 年には 45 万人くらい不足すると試算しています。
(出典)経済産業省 🔗「IT人材需給に関する調査(概要)」より
DX レポートでは、これらの課題を放置してしまうと、2025 年には最大 12 兆円/年(2018 年の約 3 倍)の経済損失が生じると試算し、これを「2025 年の崖」と名付けています。
これらの課題を解消するために、DX レポートでは次のような提言をしています。
IT を利用する側のユーザー企業では、ここまでのお話しのような根深い課題が一気には解消できません。そのため、まず既存のそれぞれのシステム対して、刷新するのか塩漬けにするのかなどの仕分けを実施し、それぞれに応じた計画を立てる必要があります。
そして、その計画を実行しながら少しずつ課題を解消し、その解消でできる余裕を新しい IT 技術に回すことで、新ビジネスの創出へつなげていくことが望ましいです。
IT を提供する側のベンダー企業は、既存技術を使ったシステムの維持・保守で売り上げるのではなく、最先端の技術分野を身につける必要があります。
そして、受託開発主体ではなく、最先端の技術をサービス提供する形のビジネスへ転換していく必要があります。
また、ユーザ−企業の IT 開発をサポートする際は、ユーザー企業の利益向上を共に考えられるパートナーになることが望ましいです。
この章では、DX レポートについて簡単にまとめてみました。かなり省いていますので、ご興味のある方はぜひ本物のレポートをご参照ください。
🔗経済産業省「DXレポート」
~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
次の章では、この DX レポートによってなぜ日本が混乱してしまったのかについて考えます。
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この章では、2018 年の DX レポートをきっかけに日本で起きた混乱と、その原因を紐解きます。
DX レポートの目的は DX の推進、つまり、デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを作り出したりビジネスを変革したりすることの推進です。そして、このレポートでは DX 推進を阻害するいくつもの課題とその解消方法について書かれています。
DX 推進を阻害してしまう課題とは、前章でご紹介した次のような内容です。
実はこれらの課題の多くは DX に限ったものではなく、IT の以前からある課題です。これまで直近業績を優先して後回しにしてきてしまった IT の課題が、DX レポートの「2025 年の崖」という衝撃的な言葉で再認識されるようになったのです。
以前からある IT の課題が DX レポートで注目されたことにより、日本の DX は思わぬ方向に進み始めました。
DX という言葉が広まり始めると、IT 製品・サービスを提供する側のベンダー企業は、自社の製品・サービスを「DX 推進のために必要」とアピールし始めました。DX レポートにはこれまでの IT の課題についても多く書かれていますので、そのどれかに絡めば「DX 推進のために必要」というのも間違ってはいません。
こうして、AI のような先進的で変革につながりやすい製品・サービスだけでなく、以前からある多くの IT 製品・サービスまで DX 推進に必要なものとして提案されるようになりました。
IT 製品・サービスを利用する側であるユーザー企業は、毎日のように DX というキーワードを耳にするようになり、何かしないと取り残されてしまう危機感を持ちます。そして、ベンダー企業から次々に提案される DX 推進に必要な製品・サービスに興味を持ち、その導入が進み始めました。
その結果、日本では
DX 推進 = IT 課題を解決する製品・サービスを導入すること
という図式ができあがってしまったのです。
製品・サービスの導入だけで DX が実現できれば良いのですが、残念ながら導入するだけで新たなビジネスモデルを作り出したりビジネスを変革したりできるものはありません。DX 推進を阻害する「課題の解消」は進むかも知れませんが、それだけでは「推進」はできないのです。
さらに悪いことに、「阻害する課題の解消」を目指しているつもりで、新たな阻害要因を作ってしまう問題も発生しました。それは、 無計画な業務の自動化や最新技術による PoC の失敗です。
DX の目的である「新たなビジネスモデル」や「ビジネスの変革」を実現する時は、ビジネスが変わりますので既存業務も変わります。そのため、現状の業務を直近のコスト削減重視でいたずらに自動化してしまうと、DX 実現時の業務変更を妨げる要因になってしまいます。
一度システムで自動化すると、その瞬間から秘伝のタレの醸造(前章で基幹システムの運用や改修が大変なことを「秘伝のタレ」にたとえました)が始まるので、安易な自動化は今後の DX 推進を阻害してしまう恐れがあるのです。
AI などの最新技術活用の取り組みも増え始めましたが、PoC(Proof of Concept:実現可能性の検証作業)止まりで実用化できないことが多く、「PoC 疲れ」という言葉が生まれてしまいました。
原因の 1 つは「新たなビジネスモデル」や「ビジネスの変革」という DX 本来の目的に対して、本来は手段の候補に過ぎないはずの AI 利用を目的化してしまい、その AI が最適な手段なのかどうかを精査せずに PoC を進めてしまったことです。
また、AI が必要とする十分なデータをユーザー企業が準備できずに失敗してしまった事例も多く耳にしました。確かに AI を使うには大量のデータが必要なのですが、必ずしもユーザー企業が用意する必要はなく、少量の自社固有のデータを用意するだけで導入できる AI もたくさんあります。AI の仕組みをきちんと理解し、他の手段も比較検討した上で最適な手段を選択することが大切です。
DX レポートによって IT 人材が不足している話も広まりました。IT 人材の売り手市場は今も続いており、未経験エンジニアの育成ビジネスや転職斡旋サービスなども活況で、事業部門の社員を IT 部門へ配置転換するといったニュースも増えています。
しかし、DX 推進に必要な人材はこれまでとは異なるので注意が必要です。
前章で「IT をわかる人も足りない」のご説明の際に、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の三省連携による「IT人材需給に関する調査」のグラフを引用しましたが、実はこの調査結果では、近い将来、従来型の IT人材が余ってしまうという予測になっています。IT 人材全体は確かに足りないのですが、その内訳は「従来型 IT 人材」が足りないのではなく、DX で必要とされる AI、IoT、ビッグデータなどの「先端 IT 人材」が足りないのです。
以下のグラフは同じ調査結果からの引用ですが、従来型の IT 市場は小さくなっていくことが分かります。また、赤線の「Re スキル率」というのは、従来型 IT人材が先端 IT人材へとスキル転換していく必要のある割合を示しています。
(出典)経済産業省 🔗「IT人材需給に関する調査(概要)」より
この予測が正しければ、この先で足りなくなるのは従来型 IT 人材ではなく先端 IT 人材です。そのため、IT 未経験の方が、売り手市場というだけで従来型 IT 人材を目指して転職するのはあまりお勧めできません。近い将来、先端 IT 人材へとスキルを転換していくためのキャリアパスを想定しておくことが大切です。
また、ユーザー企業も、従来型 IT 人材を増やすためだけの社員の配置転換には慎重になるべきです。その先のスキル転換の必要性に備えて、 IT 人材のキャリアパスの設計をセットにする必要があります。
やや乱暴なまとめになりますが、ここまでご説明したように、日本における DX は混乱してしまっています。
これでは日本の DX はなかなか進みません。
もちろん、うまく DX が推進できている企業もあります。しかし、情報処理推進機構(IPA)が企業に DX 推進の自己診断アンケートを実施したところ、未着手の企業が約 3 割、全社戦略が不明確な中での散発的な取り組みにとどまる企業が約 4 割で、きちんと全社戦略として DX 実現を進めている先行企業は 1 割にも満たないことがわかりました。
(出典)情報処理推進機構(IPA)
🔗DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)より
この IPA の🔗DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)のページでは、アンケートの回答企業名も公開されています。ご覧いただくと分かりますが、名だたる企業が並んでいるにも関わらずこの状況です。DX レポートによって DX という言葉は日本中に知れ渡りましたが、中身を伴っていないのが現状なのです。
この章では、2018 年 9 月の DX レポートによって日本で起きた混乱とその原因を簡単に紐解きました。次の章では、この日本の混乱に対して経済産業省から発表された「DXレポート2」と「DXレポート 2.1(DXレポート2追補版)」についてまとめます。
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この章では、2018 年の DX レポートをきっかけに日本で起きた混乱を収めるべく 2020 年末に経済産業省より公表された「DX レポート2」と、さらに 2021 年 8 月に補足として公表された「DXレポート2.1」についてまとめます。
コロナ禍で、ビジネスに多くの変化がありました。
テレワークが普及し、お客様との打ち合わせが Web 会議になり、印刷や押印が減って電子契約が普及し、これまでは簡単に変えられないと思っていたものが、これまででは考えられないスピードで次々に変わりました。ビジネスで多くの変革が起きたのです。
前章でお話したように、日本の DX はなかなか進みません。しかし、それはビジネスの変革ができないからではありません。実際にコロナ禍では多くのビジネスの変革が起き、しかも多くの企業がその変革に追従できています。進まない原因は、DX 推進の必要性や推進しないことの危機感が足りないことです。コロナ禍のような十分な必要性や危機感があれば、ビジネスの変革は実現できるのです。
まず DX 推進の方向性について、IT 製品・サービスを利用する側であるユーザー企業と、それを提供する側のベンダー企業に分けてまとめます。
ユーザー企業は、現在の業務の形態やビジネスモデルがいつまでも続くと考えてはいけません。その固定観念に囚われてしまうと変革はできません。これまでの当たり前をくつがえせるかどうかがポイントです。
まず、メインのビジネスに注力できるよう、それ以外の業務の自前主義をやめる必要があります。
例えば多くの企業では、水を水道局から購入しています。自前でダムを建設したり井戸を掘ったり浄化設備を作ったりはしていません。インターネット回線も同様で、遠くからケーブルを引っ張ってきたりはせずに、回線事業者と契約して使っています。これは、水やインターネット回線を使えるようにすることがメインのビジネスではないためです。
しかし、コンピューターのシステムの話になると、この常識が崩れます。顧客管理や販売管理、生産管理、人事・給与、文書管理などの各種システムを、なぜかメインのビジネスではないにも関わらず、多くの企業が自前で構築したり、パッケージを購入しつつもカスタマイズして自前化したりしています。
メインのビジネス以外のところで体力を使ってしまうと変革にパワーが回せません。水やインターネット回線と同様に、共通の仕組みを使う形へ切り替えていく必要があります。
少し古い情報になりますが、日米のソフトウェア投資の比率を調査した資料です。日本は自前でのシステム開発が非常に多いことがわかります。
なお、共通の仕組みには汎用的なものだけでなく、業界や地域ごとに作るべきものもあります。
例えば、電力自由化により東京に住んでいても四国や九州の電力会社から電気が買えるようになりました。これは、発電所で作った電気を家まで送り届ける送配電の仕組みが、電力業界共通で作られているためです。もし、各電力会社が独自で送配電の仕組みを作っていたら、遠くの電気を買えるようにはならなかったでしょう。大昔は電力の安定供給が電力会社間の競争ポイントだったかもしれませんが、今はそうではありません。各社とも送配電には投資せずに共通の仕組みを利用し、それ以外の部分に注力して競争しているのです。
コンピューターのシステムでも、メインのビジネス以外では自前主義をやめて、共通のシステムを使う形にすべきです。また、共通のシステムがまだない分野では、各社協調して共有できるシステムを構築していくべきです。
DX 推進に必要なデジタル技術は、主にベンダー企業が持っています。そのため、DX はベンダー企業と一緒に推進する必要があります。しかし、多くのベンダー企業は DX の推進まではなかなか手伝ってくれません。
なぜなら、多くのベンダー企業は、ユーザー企業から依頼されたシステムを作り上げたり、依頼された業務を実施することで売上を上げているためです。この場合、ユーザー企業の DX が成功しても失敗しても、ベンダー企業の売上は変わりません。そのため、ユーザー企業の DX を共に成功させよう!という意欲が湧きにくいのです。
さらに悪いことに、工数に応じて売上が上がる仕組みが一般的になってしまったため、効率的に作業を進める意欲も湧きにくくなっています。効率がよくなると工数が減ってしまい、売上が下がってしまうためです。
このようなベンター企業とは、一緒に DX を推進することができません。後述の開発手法の話も関わりますが、今後はシステムの開発をベンダー企業に頼らずに内製化していくことも選択肢になります。
システムの開発手法も、DX の推進に合わせて見直す必要があります。
これまでは、はじめにベンダー企業と要件を合意して凍結し、以降の工程はベンダー企業にお任せして一気に作り上げてもらう、ウォーターフォールと呼ばれる手法が一般的でした。これは、大規模なシステム開発をうまく進めるために普及した手法です。
しかし、DX 推進のためには、ビジネスモデルの考案や変革などの新しいことに挑戦する必要があり、試行錯誤が必要です。また、最近では顧客や社会との接点を重視して課題解決や価値提案を目指す SoE(Systems of Engagement)と呼ばれる考え方も広まっています。顧客・社会の課題は時間の経過とともにどんどん変化していくためスピードも重要です。
従来のウォーターフォールによる進め方は試行錯誤に不向きで、各工程の期間も長くかかるために市場投入も遅れます。それよりも、自社主導で小規模な単位の仮説・検証を繰り返し、こまめに市場投入して反響をフィードバックしていくアジャイル開発と呼ばれる手法や、開発部門と運用部門が密に連携して開発する DevOps と呼ばれる手法が適しています。
下の図の左側がウォーターフォール、右側がアジャイル開発のイメージです。DX 推進のために、右側のような形に変えていく必要があります。
(出典)🔗経済産業省「DXレポート2」より
続いてベンダー企業の方向性についてまとめます。
前述のように、これまでのベンダー企業のビジネスは、ユーザー企業から見ると DX 推進には適していません。今後は大規模な受託開発案件が減少し、ユーザー企業内で開発する内製化が進むものと思われます。これでは仕事がなくなってしまうため、ビジネスの改善が必要です。
なお、ユーザー企業の内製化が進んでも、最初のうちはユーザー企業内に技術者がいないため、技術者の派遣・常駐などのニーズが高まると思われます。しかし、そのまま内製化が進めばいずれお客様はいなくなってしまいますので、この後にご説明するユーザー企業との共創や、プラットフォームの提供主体を目指していく必要があります。
DX レポート 2.1 では、業界構造のあるべき姿を次のようにまとめています。
この図の下半分が現状です。現状は、大企業がトップとなり、中小零細企業が下請けで支える構造になっています。
これに対して、DX を実現した状態が上半分です。製品やサービスを素早く作り顧客や社会の課題の変化に追従するためには、従来のような巨大なピラミッド構造を作っている場合ではありません。必要なサービスを結びつけて素早く組み上げる必要があるため、図の上半分のようなネットワーク構造が理想です。
この理想の構造における企業の姿には、図にある①から④の 4 パターンがあります。
企業の DX 推進をお手伝いする企業で、図の下半分から上半分に変わっていくお手伝いをする役目です。成果報酬形の DX 推進コンサルタントといったイメージが近いかと思います。
企業の DX 推進を技術面でお手伝いする企業です。①と同様に、図の下半分から上半分に変わっていくお手伝いをする役目です。これまでのベンダー企業に近い形と言えますが、図に「伴走」とあるように、DX 推進を一緒にがんばるビジネスになっている必要があります。
企業間や業界間で共用できる仕組みを提供する企業です。DX 推進に当たり、企業はメインのビジネスに注力できるよう、それ以外の部分では共通の仕組みを使うべきです。その共通の仕組みをサービス提供する企業です。
顧客に新しいサービスを提供する企業です。従来のユーザー企業の位置ですが、自前主義ですべてを作り上げるのではなく、提供されているサービスを組み合わせている部分がポイントです。
ここまでは、ユーザー企業、ベンダー企業それぞれの方向性と、業界構造のあるべき姿についてまとめました。ここからは超短期、短期、中長期に分けて、企業が取り組むべき内容を整理します。
最初に必要なのは、DX 推進のスタートラインに立つために、製品やサービスを活用して足元の課題を解決することです。
もしまだであれば、テレワークやオンライン会議などによって業務がオンラインで実施できるよう、必要な IT インフラを整えましょう。これらはコロナ禍に限られた対策ではなく、この先の共同作業でも必要なインフラになります。
また、業務のデジタル化も進めましょう。紙文書の電子化、ワークフローのサービスによる承認業務のデジタル化、RPA(Robotic Process Automation:PC で実施する業務をあたかもロボットに実行させるかのように自動化する仕組み)による定型業務の自動化などです。また、従業員の安全・健康管理をリモートでもできる必要があります。これらで使う製品・サービスは、この先で業務プロセスを再設計する際にも役立ちます。
ただし、前章の「ユーザー企業の動き」でもまとめたように、製品・サービスの導入が目的ではありません。DX は製品・サービスだけで達成できるものではありませんので、目的と手段を混同してしまわないように細心の注意を払ってください。現場に丸投げするのではなく、経営者自らが考えて取り組みを進める必要があります。
続いて短期で実施すべきことをまとめます。
DX の推進には 2 つの視点が必要です。データやデジタル技術を使ってどのように経営層の課題を解決するのか?という視点と、どのように新たなビジネスを生み出すのか?という視点です。前者は経営層や事業部門が起点に、後者はデジタル技術に詳しい IT 部門が起点になって、お互いに変革のアイデアを出し合い、仮説検証を繰り返していく必要があります。
しかし、多くの企業の IT 部門はシステムの管理がメインになっており、経営層や事業部門と対等な立場ではありません。この部分を変えていく必要があります。
また、仮説検証に失敗は付き物です。そのため、心理的安全性の確保(失敗しても減点されず挑戦する姿勢が評価されるような雰囲気づくり)も重要です。
DX 推進を主導する方のリーダーシップも重要です。DX 推進は余った経営資源で進めるようなオマケの話ではないため、DX 推進のリーダーは経営資源の配分についても対話できる位置にいるべきです。CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)や CDXO(Chief DX Officer:最高 DX 責任者)、CDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者) などの肩書きを持つ方がリーダーの役割を担うことが多くなっていますが、これらの方の役割・権限を明確にする必要があります。また、実施施策が事業部門の支援に留まってしまったり、事業部門の個別最適になってしまったりしないよう、推進のリーダーには経営トップとしてのリーダーシップも求められます。
業務プロセスの再設計も必要です。コロナ禍で押印の必要性が見直されましたが、その際に「そもそも本当に押印が必要だったのか?」というゼロベースの議論が行われました。企業内には過去を踏襲しているだけの業務プロセスが多くあるかと思います。こういった業務を、過去の常識にとらわれずに再設計していく必要があります。
また、DX の推進状況を関係者間で共有したり次のアクションを明確化したりするために、前章の「これでは日本の DX は進まない」でご紹介したDX 推進指標に基づく自己診断もお勧めです。
中長期で実施すべきことは、前述の「ユーザー企業が目指すべきこと」でもまとめたように、メインのビジネス以外の自前主義を見直すことと、ベンダー企業との関係を見直して、製品・サービスの市場への投入・改善速度を上げることです。
また、これらを実現するための人材確保も計画的に進める必要があります。変革を主導できるような人材や、思い描いた製品・サービスをきちんとシステムとして実現できる技術者の確保が必要です。
しかし、従来の「新卒一括採用」や「年功序列」、「終身雇用」という言葉に代表されるメンバーシップ型雇用では、採用後に適正をみて育てていく形になるため大変です。そのため、先に必要な仕事の役割や責任を明確にして、それから必要な人材を雇用するジョブ型雇用へと移行していく必要があります。
さらに、必要な人材は時間と共に変化し、特に技術スキルはあっという間に陳腐化します。常に学び続けることができるよう、専門性を評価する仕組みや、社会人でも学生のような教育を再び受けられるリカレント教育と呼ばれるような仕組みも導入していく必要があります。
DX 推進の方向性や取り組むべきことをまとめてきましたが、「言うのは簡単だけど」と思われるものも多かったかと思います。個々の企業の努力だけでは進まないものもあるでしょう。そのため、政府も積極的に支援に取り組んでいます。
以下、2021 年 8 月の「DX レポート2.1(DX レポート2追補版)」公表時点における各施策の取り組み状況です。
これらの施策により公表されているものをいくつかご紹介します。
DX の認知・理解向上のため、経営層向けに「対話に向けた検討ポイント集」が公表されています。「デジタルトランスフォーメーションとは」から始まるわかりやすい資料になっています。
DX 推進のために経営者が実践すべきことをまとめた「デジタルガバナンス・コード」が公表されています。「コード」という言葉が少しわかりにくいですが、ここではドレスコード(服装規程)と同じ「規程」という意味です。DX 推進(デジタル)をしっかり管理・統括する(ガバナンス)ための規程(コード)ということですね。
なお、「中堅・中小企業向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き」も公表されています。
🔗「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き(概要版)」より
東京証券取引所の上場企業の中から、DX 推進の実績が出ている企業を選定することで、DX の認知やモデルケース化、投資家から評価を受ける枠組みの創設などを狙った取り組みです。
また、DX 銘柄は大企業が多く中堅・中小企業が参考にしにくいため、2021年より中堅・中小企業向けの選定も始まりました。
中小企業でも自身で自社の状況を踏まえた適切な導入方法を判断し、自社主導で AI 導入ができるようにするための、経営者および担当者向けのガイドブックです。
制度的な支援も始まっています。「DX認定制度」では、デジタルによるビジネス変革の準備ができていることが認められれば、税制の優遇や、中小企業の場合は低利融資が受けられます。
(出典)情報処理推進機構(IPA)🔗「DX認定制度とは」より
人材育成についてもいろいろ進んでいて、最近では 2022 年 3 月に🔗「マナビDX」が開設されました。ここでは、デジタルに関して学ぶためのコンテンツや学び方を紹介しています。
(出典)情報処理推進機構(IPA)🔗「マナビDX」より
必要なスキルを学び直すリスキリングの取り組みも進んでおり、2022 年 6 月 に計 49 の省庁・団体・企業が参画した「日本リスキリングコンソーシアム」が発足しています。すでに 200 以上のトレーニングプログラムが展開されています。
(出典)日本リスキリングコンソーシアム🔗「日本リスキリングコンソーシアム」より
この章では、2018 年の DX レポートをきっかけに日本で起きた混乱を収めるべく 2020 年末に経済産業省より公表された「DX レポート2」と、2021 年 8 月にその補足として公表された「DXレポート2.1」について簡単にまとめてみました。ご興味のある形はぜひ本物のレポートをご参照ください。
🔗経済産業省「DXレポート2」
🔗経済産業省「DXレポート2.1(DX レポート2追補版)」
また、この章の最後の「政策の方向性」でご紹介した経済産業省の公表資料の中には、DX や AI の初心者を対象としたわかりやすい資料がたくさんあります。国の公表資料と聞くと難解なイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、決してそんなことはありませんので、ぜひご参照いただければと思います。
次章では最終章として、DX に欠かせない変革のアイデア出しについてまとめます。
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DX 推進の方向性や取り組み方法については、前章でご紹介したように経済産業省や情報処理推進機構(IPA)の手引き・ガイドブックなどがここ 2 年くらいで充実してきました。しかし、変革のための具体的なアイデア出しの進め方については、参考にできるものがまだ少ない状態です。DX とはデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを作り出したりビジネスを変革したりすることなので、実現するためには新規ビジネスやビジネス変革のアイデア出しを避けることはできません。
しかし、アイデアは勉強するだけでは生み出せません。DX の先行事例からアイデアを学ぶことはできますが、その事例はその企業の保有データと技術とアイデアがあったからこそ実現できたものであり、簡単に真似することはできません。貴社が実現できるアイデアは、やはり貴社主体で生み出す必要があります。
そこでこの章では、DX に必要なアイデア出しの進め方について考えてみます。
実はアイデア出し自体はそれほど難しいものではありません。
以前、私が社長直属のチームで自社製品・サービスの企画を担当していた頃、同じ企画チームのメンバーと共に情報収集やアイデア出しとそれを精査するためのフレームワーク・ツールをいろいろ試しました。
カラーバス、KJ 法、SWOT 分析、マンダラート、マインドマップ、
オズボーンのチェックリスト、シックスハット法、ブレインライティング、
ペイオフマトリックス、プロトタイピング、etc.
その結果、多くのアイデアが生まれ、それらの整理もでき、良さそうな企画案をいくつか作ることができました。
しかし、実行に移そうとすると前に進まなくなるものがほとんどです。この時に、フレームワークやツールよりも大切なことを痛感しました。それは、現場の方を最初から深く巻き込むことの重要性です。
DX 推進というテーマにおけるポイントは、貴社のデータをデジタル技術でどのように活用してビジネスを生み出したり変革したりするのかです。そのためには、データに詳しい現場の方、技術に詳しい現場の方、ビジネスに詳しい現場に方の力を有効活用する必要があります。
企画案を作ってから現場の方を巻き込もうとしても、データやビジネスに詳しい現場の方から見ると幼稚で実現可能性の低い案になってしまいがちです。また、その企画案には現場の方の思いが反映されていませんので、現場の方の思いが強ければ強いほど、現状の批判のように受け取られてしまったりします。事業を変えるような内容ともなると、既存事業の役割に基づいて縦割りされている部門間の壁(セクショナリズムと呼ばれたりします)も邪魔をしてきます。
もちろん私も、現場をまったく巻き込まずに進めていたわけではありません。情報収集に協力してもらい、アイデア出しにも参加してもらいました。しかし、現場の方には現場のミッションがあり、直近の生産性向上や損益目標に追われていて、重要な方ほど時間がありません。どうしても片手間になってしまうのです。最近よく耳にする次のような失敗談も、原因は似たようなところにあるのではないかと思います。
DX 推進の選任チームを立ち上げて権限を与え、そこに現場の主要メンバーも加えてトップダウンで継続的に推進できる企業様であれば、このような問題は起きないかもしれません。しかし、そこまで余裕がない企業様も多いでしょう。
そこでここからは、草の根活動的にアイデア出しを進める案をご紹介します。
現場の方を最初から深く巻き込むことが重要と述べましたが、現場を巻き込むというよりも、初めから現場を主体に進めることをお勧めします。その時に重要になるのが、「現場視点でのデータ活用のアイデア出し」、「社内のデータの見える化」、それらを進めるための「現場ミッションとの整合」です。
アイデア出しは、本来であればビジネスの上流から始めるのが正しい形かとは思いますが、前述の私の失敗例のように、上流の担当者が現場をうまく巻き込めないと失敗してしまいます。そこで、最初のステップでは現場を主体にして、保有データを利活用するためのアイデア出しから始めるのが良いかと思います。現場主体であれば実現可否を把握しながらアイデア出しができますので、実現できない案が残ることがありません。また、保有データに絞ることで新たなデータ収集を考える必要がなくなるため、より実現しやすいアイデアを生み出しやすくなります。
なお、現場の方を中心にアイデア出しをする時は、
社内のデータを、これまでとは違う形で活用したら
業務を効率化できたりお客さまへの提供価値を上げられないか?
という切り口がお勧めです。
もちろん、現場の方は業務で使っているデータに精通されているので、今さら新たな活用方法など思い浮かばないと思われるかも知れません。その時に注目していただきたいのが、他の業務で使っているデータの存在です。
たとえば、営業部門であれば、製造部門や保守部門の保有データを調べてみてください。地区ごとの部門であれば、他の地区の保有データを調べてみてください。多くの企業様では部門が業務や地域で縦割りになっており、他部門のデータを自部門で活用しようという発想がなかなか湧きにくいかと思います。ここを崩して社内にあるデータを知ることで、データ活用のアイデアを生み出しやすくなります。
他部門がどのようなデータを保有しているのかわからない状況も多いでしょう。その場合は、社内データを活用するための環境整備の一環として、エンタープライズ サーチと呼ばれる企業内の情報検索サービスの導入を検討してみてください。これは、社内のデータをインターネットのように検索できるようにするもので、部門の壁を超えて社内データを見つけられるようになります。Google や Yahoo!、Bing などのインターネット検索サービスの社内版と考えるとわかりやすいでしょう(下図)。DX 推進において、社内横断でデータ活用ができる環境の整備は非常に重要です。
なお、社内横断でデータを活用するために、社内のあらゆるデータを一元管理する巨大なデータベースを作ろうという考え方もあります(データレイクと呼ばれます)。こちらはかなり大掛かりな構想になりますので、残念ながら気軽に試すことはできません。前述のエンタープライズ サーチであれば、既存システムに手を加えずに導入でき、部分的に試すこともできるので非常にお手軽です。
社員の方が他部門のデータを見つけられるようになると、普段の業務の中で自然に活用を検討される方がでてきます。たとえば、営業部門の方が製造部門の製品試験のデータの存在を知ることで、販促資料で品質を訴求する素材に活用することを思いつくかも知れません。営業部門の方が保守サポート部門の顧客対応データに気づけば、クロスセルやアップセルの提案のアイデアを思いつくかも知れません。他部門のデータを自部門の業務で活用して効率化したりお客さまへの提供価値を上げたりすることができれば、それはもう業務変革の小さな成功です。縦割り組織の弊害を解消する立派な DX の実現です。
現場主体でのアイデア出しをお勧めしてきましたが、そのために必要となる現場の方の時間はどう確保すれば良いでしょうか。ここで重要になるのが現場のミッションとの整合です。前述のように現場は直近の生産性向上や損益目標などのミッションを抱えていますので、それと無関係なアイデア出しの時間はなかなか取ることができません。そのため、アイデア出しを現場のミッションに直結する形で実施すれば良いのです。
現場ミッションに直結するようなデータ活用のアイデア事例を 2 つあげてみます。
お客さまからの問い合わせ対応業務や IT ヘルプデスクの業務などでは、応対コストの最適化やお客さま満足度の向上が重要なミッションになるかと思います。このような問い合わせ業務において、問い合わせ履歴や FAQ(よくある質問とその回答集) のデータを AI で活用し、AI に問い合わせ応対を任せてしまう AI チャットボットのサービスが日本では 2015 年ごろに実用化しました。
AI チャットボットを使えば問い合わせ応対が自動化できるので応対コストが最適化できます。AI であれば 24 時間 365 日応対させることもでき、お客さまの満足度の向上にもつながります。ひと昔前では、応対コストを下げながら応対時間帯を拡大し、さらにお客さま満足度を上げるような施策は実現できませんでした。既存データをデジタル技術で活用して業務を変革しつつ、現場のミッションとも整合する一例です。
人手不足が深刻化している昨今では、人材育成がミッションになっている企業様も多いのではないかと思います。 社内にある業務マニュアルや過去の業務の成果物を AI 検索サービスで検索可能にすると、AI が生き字引のような役割を担うことができるようになり、新しい社員の方へのスキル移譲を加速できます。
検索サービスであれば知りたいことを入力して検索するだけなので、新人の方がベテラン社員に気を遣ってしまい質問しにくいといった課題や、テレワークでコミュニケーションが取りにくいといった課題も解消します。既存データをデジタル技術で活用することにより、これまでは解消が難しいと思われた業務課題を改善できます。
2 つの事例をご紹介しましたが、このように、現場のミッションに直結するアイデア出しであれば、現場の方の時間も取りやすくなります。
以上、草の根活動的にアイデア出しを進める案のご紹介でした。なお、貴社の環境にも大きく左右されるかと思いますので、環境に合わせてアレンジしていただけますと幸いです。
どんなプロジェクトでも、大規模になればなるほど難易度が上がり、失敗すると推進力が衰えます。DX は一朝一夕で実現できるものではありませんので、最初は難易度を抑えて小さな成功を積み上げていくことをお勧めします。現場主体での小さな成功を積み上げる過程で、社員の方に次のような変化も期待できます。これが、さらに DX を推進するための土壌になっていきます。
土壌が整えば、ビジネス寄りのアイデア出しをしたり、必要なデータを新たに収集することを考えたり、最新のデジタル技術をさらに学んだりと、変革の規模を拡大しても失敗しにくくなるはずです。
最後に、弊社のお客さまの DX 成功事例を 1 つご紹介します。DX 推進部門の方が現場ファーストで DX を推進されている事例となりますので、ぜひご参照ください。
🔗「現場ファーストのDXが生んだ52%の問合せ減」
~多くの職員がAIやDXを実感することで次のDX計画も進みやすくなる~
こくみん共済 coop 様
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「本当にわかりやすい DX 入門」と題して 4 章に分けてお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。このお話しの中に、なにか 1 つでも貴社にとってヒントになることがありましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご相談先: Cogmo/AI関連お問い合わせ