こんにちは。IBM Watson / AIの導入・運用支援、アドバイザリーをしている西原です。チャットボットの比較は難しいですよね。この連載がみなさまのチャットボットの検討に少しでも役立てば嬉しいです。
さて、チャットボットのカオスマップがカオスで、検討する側にデメリットがあると感じて書き出した『チャットボットのカオスマップがカオスなのでちゃんと説明してみる』の第2回目です。
第1回目は、「チャットボットは入力にヒットしたものを返す」という(若干)当たり前なことと、非AI型でボタン型の仕組みと良さ・悪さを書きましたが、今回は非AI型でキーワードマッチ型について整理します。
連載:チャットボットのカオスマップがカオスなのでちゃんと説明してみる
非AI型のキーワードマッチにはふたつ(最終的には4つ)のものがありますが、今回は基本的なふたつのものについて整理します。ひとつめは入力された文をそのまま使う仕組みです。これは例えば「チャットボット 比較」というような入力文をそのまま使い、ただ検索するだけの仕組みです。検索窓(しかも、あまり優秀でない)、に等しいです。
ただし、応答文のどこにヒットさせるのかで2通りのやり方があります。ひとつめは、「応答文の文章」そのものを検索してヒットさせる方法です。
この場合は、応答文が用意されていれば他の作業は特にありません。ツールに応答文をCSVなりでアップすれば使える状態になります。また、外部のシステムに接続できるツールであれば、FAQシステムやDBなどにある応答文を検索して出すこともできます。
ただ、応答文の文章の中に入力される文や単語が必ずしも入っている訳ではないので、入力を意識した応答文に作り替えるなどをしないといけないのも事実です。
ふたつめは、「ヒットさせるキーワードを登録しておく」方法です。
この場合は、入力される文がどのようなものであるかを想定し、キーワードなどを洗出し登録する必要があり、「応答文の文章」そのものをヒットに利用するよりも精度はあがります。キーワードの洗出しという作業が必要ですが、応答文を作り替えるよりは構築や運用などが現実的です。非AI型のチャットボットではこちらのツールが一般的なもので広まっています。
次回「チャットボットのカオスマップがカオスなのでちゃんと説明してみる Part.3」では、非AI型で形態素解析も利用した仕組みを説明してみたいと思います。
※形態素解析の機能があるチャットボットを『AI搭載』ということもあるようですが、このブログでは非AIとします