遠州鉄道様
浜松市を中心とした静岡県西部にて、鉄道やバスなどの運輸事業から、地域の暮らしに貢献する多様な分野に渡り、総合生活産業として豊富な事業展開をしています。地域の皆さまから喜ばれ、信頼される存在となるために、今まで以上のサービスと新たな価値の創造に挑み続けていきます。
事業拠点となる浜松市は人口減少が問題となっていて、遠州鉄道では、人(資源)の有効化に取り組んでいます。AIの活用を考えた時、大きな投資で長期間のプロジェクトではなく、ビッグデータがなくても少ない投資と時間でスモールスタートできる、AIチャットボットを選びました。中でも、『Cogmo Attend(コグモ・アテンド)』は、Watsonの自然言語処理、会話の分岐が可能なことに加え、仕組みが判り易く、構築・運用イメージが容易に持てたことから採用を決めました。
回答するキャラクタ設定や回答の仕方にも工夫を凝らし、いつでも気軽に聞ける、即解決する、を実現。ただ、一番苦労したのは社内周知です。毎月、新たに回答できる分野を増やしては社内リリースし、地道なPRで徐々に利用を増やしていきました。日々の問合せ電話等が激減したまではいかなかったのですが、社内向けチャットボット導入で、会話構築や運用方法がわかり、当初から実施したかったお客様向けのWebサイトでもチャットボットを公開することが出来ました。
現在は、遠鉄グループの遊園地、ホテル2施設に導入しています。一部のホテルでは、ホテル専用チャットボットを導入済みでしたが、学習済みで用意されている会話のみではそのホテル独自の質問と回答が難しかったため、オリジナルのQA登録やメンテナンスが簡単に出来る『Cogmo Attend』に乗り換えました。
チャットボット運用について、公開当初は大変です。
あらゆる回答を用意したつもりでも、想定していなかった質問が次々と寄せられるので、毎日時間をとって質問内容をチェックして答えられる内容を増やしていきました。3週間〜1ヵ月程度で新規質問の登録作業が落ち着いてくるので、その後は1・2週間に一度、ログチェックとメンテナンスを行っています。
複数のチャットボットを公開していますが、公開前のベースとなるQA登録はICT推進課で、公開後の運用は、簡単なメンテナンスマニュアルを見ながら担当部門で行っています。チャットボット運用は専任ではなく、本業務との兼任です。
問合せ件数や時間については、それぞれ担当者が対応しており、内線や会話時間などの数値化が難しいところがあります。
チャットボット導入効果を会話ログから考えてみると、回答まで結びついたものを、人が対応すると1分として換算、チャットボットのメンテナンス時間をそこから除くと、現在4つのチャットボットで約50時間/月の工数圧縮と捉えることもできます。ただ、より効果を感じるのは、電話やメール、フォームでの問合せ以外のチャネルとして、新たなお客様窓口を担っていることです。
チャットボットは、会話が全てログに残るので、お客様ニーズを把握する大きな手助けとなるところがメリットです。遊園地のチャットボットですと、「昨年のあのイベントは今年やらないんですか?」など、季節のイベントに対する質問が思いのほか多く寄せられました。
情報がすぐ手に入る時代に、Webサイトで知りたい情報の有無が不明なまま探させるより、手軽に聞けて即解決する手段を用意することでお客様満足度は高まると感じました。
いつでも、何度でも、気軽に質問ができる、というチャットボットの「聞きやすさ」の特性を活かして、今後は『Cogmo Attend』でシステム連携も行っていきます。問合せ対応だけではない様々な使い方をしていく予定です。システム連携しやすいのも『Cogmo Attend』の良いところですね。こうすることで、チャットボットが次第にコミュニケーション窓口となって活躍してくれると思います。