素敵なニュースが届きました。性格診断ができる「IBM Watson Personality Insights」が復活します。またまたWatson欲が上昇中です。
どうやら一般公開はされないようですが、Watson Personality Insightsでまた性格診断してみたいと思っています。6年前、私のSNSを使った診断では、「知的好奇心」だけが高くて後はぼろぼろの個性・ビッグファイブでしたが、今やるとどんな判定になるのでしょうか。
さて、IBM Champion for 2022の西原です。
Watson DiscoveryやCogmo Searchを使った検索システムを企業に導入することばかりの日々を過ごしていると、「AI検索」というのはとても賢い行為だなと思うことが多々あります。それを「図書館情報学」と「攻殻機動隊」を使ってお伝えします。何のことだろう、という感想をお持ちと思いますが、お付き合いください。
「図書館情報学」という学問があります。
私はこの学問に四半世紀くらい前、大学時代から興味があります。
きっかけは大学の図書館。自分が探している本がなかなか見つからなかったから。どの分類かもわからないし、1990年代後半はまだ検索システムもできていなくて探すのに苦労しました。
例えば、「走れメロス」は「日本文学>小説」で探すこともでき、「は行>小説」でも探すことができる。これはデジタルだからできるワザですが、アナログでやると、その探す経路の数だけ同じ本がいります。無駄というか、お金と空間が足りませんね。だから、王道の分類で本は並んでいる。そして、平均・標準的な王道の分類を定義しないといけない。だから、こういう学問がいる(もっと深い学問ですが)。ただ新しい興味を持った時に、その王道の情報分類が理解できているかというと、そうではありません。だからアナログ時代の図書館は本当に迷路のような存在でした。
そんな経験から、『そもそも分類やカテゴライズが固定的な客観で、流動的な主観でないことはなんとかならないのか』ということから、なんとなく、図書館情報学って面白そうだなと思ったのが始まりです。
とは言え、単位を取ったわけでもなく、授業を受けたわけでもなく、ちゃんと独学で勉強したわけでもありません。たまに本屋でパラパラと流し読んだり、インターネットで調べたり。
その程度ですが、この学問がどこに発展していくのか、いまこそ、とても興味があります。
図書館情報学は、図書館そのものがどうあるべきかという学問に、知識の体系化や伝達の仕方などの情報の学問が融合されたものです。ただ、図書館が物理的な本の蓄積と保存、分類による提供を主としているので、いまだに構造化を暗に目指しているフシがあります。インターネットが20年前に諦めた構造化を、まだ、図書館に整然と並んだ本棚の分類項目に収めようと。
もちろん、本という物理的なものがあり続ける限り、それをどこにどう収めるのだという課題はついて回りますが、それは本の学問であって、そもそも情報を扱う学問でやることではないはずです。
だからこそ、この時代に情報をどう扱っていくのかを、知識を体系化・構造化・組織化して社会に貢献しようとした図書館情報学がリードしていって欲しいと思います。特に、構造化ではなく、情報にタグを付与したりベクトルを与えることで図書館や本や情報の扱いを再定義していって欲しいと思います。
これは図書館にある情報だけの話ではありません。企業の情報も、何らかのシステムに登録するときには、製品カテゴリなど、どこにどう登録するかは必要ですが、そのカテゴリの整理をひたすら精緻に続けても意味がありません。付加情報としてタグなどを付けて、そのタグを検索すれば調べられるようにすべきですし、そうしている企業は多いと思います。
「図書館情報学」はおいておき、次は「攻殻機動隊」です。
ガチのファンだというわけではないのですが、面白いアニメ、漫画だと思います。この攻殻機動隊では、色々なディスプレイが出てきて、そこに表示される情報も色々なレイアウトで出てきます。
例えば、ボーマがあることを調べるシーンで、大きな画面に、人物のプロフィールや地図などがそれぞれのインタフェイスデザインで表示されます。他のSFアニメや、Amazon プライムビデオで最近流行った「スター・トレック:ピカード」でも、空間に架空のディスプレイが現れ、さまざまなインタフェイスで情報が表示されたりします。
一方、私たちが日々見ているWebサイトは、企業側がこれで見せたいと決めたデザインで見せられています。そこには、自分には必要ないけど、多くの人には必要で載ってしまっている情報も綺麗なレイアウトの中で載せられています。
何が違うのかというと、攻殻機動隊では、こちらが見たい情報レイアウトに、欲しい情報を表示しているという点です。本来あるべきは、自分が欲しい情報を欲しい情報レイアウトで見られるべき、情報は定義されたデザインで見ることに意味がないのに、今のWebページはそうではないということです。
もちろん、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を利用して、かつ、パーソナライズ機能を駆使すれば、ひとりひとりが求めるデザインで情報を出すことは可能です。ただ、その設定やプログラムを書くのが至難の業なのは想像に難しくありません。
「図書館情報学」と「攻殻機動隊」でお伝えしましたが、カテゴリ分類をいくら頑張っても人が求める情報のカテゴリにはなりません。情報のレイアウトをいくら頑張っても人が求める表示になりません。
それを解決できるのが、AI検索です。自分が欲しい情報を検索すると、ひとつのサイトだけではなく、さまざまなサイト複数からページを検索し持ってくることができます。加えて、ひと手間加えれば、検索結果の一覧として表示するだけではなく、自分が定義したレイアウトに情報を当てはめて表示することもできます(少し大きなひと手間ではありますが)。
私は15年ほどWebサイトの制作をやってきた経験があるので、Webサイトやイントラサイト、FAQサイトのコンテンツをどうすべきで、どうレイアウトしたら良いかということに、多くの時間をかけてきました。ただ、AI検索の導入支援をしていると、Webサイトやイントラサイト、FAQサイトのリニューアルをするよりも、いまのページは残したまま、AI検索で人が見たい、人が使いやすいレイアウトや機能で情報を表示してあげる方が、はるかに便利だと感じます。そして、このような機能を作る側の負担も大きく減ります。作る側の負担が少ないということは、工数や期間も少なく、スピーディに新しい機能を追加することができます。
これが「AI検索」という行為はとても賢い行為だなと思う理由です。「図書館情報学」と「攻殻機動隊」を使ってお伝えした、「AI検索」の良さと未来はいかがでしたでしょうか。
ちょっとよくわからない、ということであれば、ご連絡くださいませ。もう少しお話し差し上げて、それから、ディスカッションしましょう。
IBM Champion for 2022の西原や、アイアクトの人工知能・コグニティブソリューション部では、Watson DiscoveryやCogmo Searchを利用したお客様毎の検索ツール開発や情報表示画面の開発をしております。ご興味あればお気軽にご相談ください。
参考リンク:
ご相談先:AI検索で出来ることは、お問合せください