Cogmoチームでセールス&マーケティングを担当している箱崎です。
今回は、2022年3月30日に開催された「チャットボットカンファレンス 2022 Spring」(日経クロステック主催)に、私たちアイアクトが、CXプラットフォーム「Zendesk」認定パートナーのエクレクト社と協賛講演を行いましたので、その内容をお届けします。
多くの企業が、ノウハウ共有やCX向上の一環としてチャットbotの導入を進めています。
しかし、ただ導入しただけでは効果の最大化や真の顧客満足は得られません。
チャットbotとAI検索を結んだナレッジデータ活用、発展したCXプラットフォームとの連携で得られる効果など、最新の事例を交えてご紹介しました。
1.チャットボットの位置づけをアップデートしよう
・チャットボットだけでは完全解決できないから
・効率以上に、お客様満足や従業員満足の提供価値を上げることが重要になって
きているから
・シーン:顧客対応・コールセンタ・コンタクトセンタ・グループ内問い合わせ受付
2.価値向上(お客様満足や従業員満足向上)への貢献がこれからのチャットボット
・これからのチャットボットはお客様満足や従業員満足向上の役割を果たすべき
・正しい構造とSTORYは、
①AIチャットボットに質問→②FAQを検索→③オペレータとチャット
・chat UIで、UXを統合し、一気通貫の施策・体験を提供し、価値を上げていく
「自動応答」「オペレータとの会話」加えて「FAQ検索・製品検索」
3.満足度をさらに上げるCX向上の手法
・あらゆるコミュケーションは、Zendeskを中心に統合
・チャネルを統合するプラットフォームをベースに、最適なチャネルを組み合わせて
いくのが、これからのCXの考え方
・チャットボットの歴史
世の中にチャットボットが出始めてから以下のようにチャットボットは成長してきています。
Phase01 無能からAIへ(2016-2017年)
キーワード&ボタンのみから、自然文にも答えられるようになった
Phase02 専用化・汎用化(2017-2019年)
人事専用、宿泊施設専用で学習済み型、またはどんな会話も可能な汎用型に二極化
Phase03 自動化のためのシステム連携(2018-2020年)
業務システムと連携し、益々便利になった(勤怠・予約・RPA etc)
・自動化のためのシステム連携のチャットボット
システム連携することで、色々なことを自動化してきました。
例えば、
勤怠システムと連携した場合、チャットボットと会話するだけ勤怠がとじれる。
ITヘルプツールと連携した場合、チャットボットと会話するだけでITのお困りごとが
既存のデータベースに入って、情報システム部門に問い合わせができる。
営業管理システムと連携した場合、チャットボットと会話をするだけで営業報告が
できて、そのまま上司にメールができる。
など、一つひとつは自動化として価値あるものですが、
小さな効率化、部分部分の効率化に留まり、継ぎ足しの効率化になっています。
・部分効率化の課題
単純な社内対応では継ぎ足しでも大丈夫ですが、お客様対応や社内の重要な
業務対応では使えるでしょうか?
例えば、FAQサイトにチャットボットを設置した場合、
FAQサイトは、CMSやFAQシステムで管理し、その担当者はちゃんとしたFAQをつくって、
ちゃんと見てもらおうとがんばります。
一方、チャットボットが追加され、チャットボットシステムを使って、別の担当者も
やる気をもってがんばります。
ただ、FAQサイトをみて解決しなければ電話や内線がきますし、チャットボットで
会話しても解決しない場合も同様にオペレータへ問い合わせが発生します。
オペレータからすると導線が増えて、それぞれの導線にあわせたオペレーション
が増え、逆に負担になります。
また、お客様からすると、チャネルが増えても解決しないと満足していないことになり、
せっかく効率化のために労力をさいたのにも関わらず、お客様満足や従業員満足が
満たされていない状態に陥ってしまいます。
・正しい構造とSTORY
部分効率化の課題を解消するための価値向上に貢献する構造・流れは以下と考えます。
①AIチャットボットに質問
即座に回答が得られる
FAQサイトのリンクをたどるより早い
↓
②FAQを検索
チャットボットで答えきれない
検索結果して利用者が自己解決できる
↓
③オペレータとチャット
丁寧に、詳細に回答をもらう
この構造をチャットボットで実現していくことが重要です。
・これからのチャットボット
今まで多様なシステム連携で、色々な継ぎ足しをしてきたところを、
システムを統合して、一気通貫の施策・体験を提供していくことがこれからの
チャットボットです。
一気通貫の施策・体験というのは、chat UIの中で、UXを統合しましょう、ということで、
システム連携というより統合できるかがポイントです。
chatボットでなく、chat UIで統合。
メッセージやりとりの一つのインターフェースで、
「自動応答」「オペレータとの会話」加えて「FAQ検索・製品検索」
この3つの体感ができるのが、これからのチャットボットです。
・対応傾向分析で改善
さらに、chatボットだけの分析だけでなく、
どうFAQで検索されたか、オペレータとどう会話されたか、お客様接点の全てを
分析していくべきで、CRMやCSS(Customer Service Software)からの対応傾向
からフィーバックをして、自動応答やFAQの内容を改善していくことが、これからの
ありかたです。
これが、より高いお客様満足や従業員満足向上につながっていきます。
・導入効果
chat UIで自動応答・文書検索で情報資産を提示してあげると解決できることがたくさんあります。
関西電力株式会社での社内業務におけるAI自動応答+AI文書検索の導入効果をご紹介します。
業務における質問の応答及び、膨大な要綱・マニュアルを容易に参照する手段として、
AIチャットボット「Cogmo Attend」、AIファイル検索システム「Cogmo Search」を
提供しました。
その結果、以下の効果をあげました。
・若手・ベテランの質問に費やす時間:44-69%減
・業務精度:150-190%向上
詳しくは、こちらをご覧ください
関西電力様:Cogmo事例
・まとめ
システム連携というより統合できるかがポイントで、
みなさん、既にお持ちのFAQやマニュアルなどの情報資産をAI検索で、
チャットボットに付加することがよりよい顧客体験を生み、
価値向上(お客様満足や従業員満足向上)に貢献します。
<キーワード>
・汎用的な会話が可能なAI自動応答
・ページ単位で文章検索できるAI文書検索
・そのまま丁寧なオペレータ対応
・対応傾向分析で改善
・消費者が求める顧客体験
最近の消費者が求める顧客体験として以下の傾向があります。
・90.6%が「チャットボットで未解決だった場合有人チャットで解決を図りたい」
・82.6%が「繰り返し説明を避けるため、データ連携機能を利用したい」
つまりは、パーソナライズした情報を求めている。
・78.3%が「検索時にFAQに直接遷移できる機能を利用したい」
(出典:トランスコスモスの調査「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021」)
・チャットbot(AI)×CXプラットフォーム Zendesk
Zendeskは、あらゆるチャネル・コミュケーションに対して、統合することができます。
お客様は好きなチャネルを使えます。
チャネルごとにプラットフォームが別だと、オペレータは煩雑になりますが、
それを統合して、Zendeskさえみていけば、全てにチャネルに応対することができます。
FAQサイトのメンテナンスもZendeskからできます。
お客様の声、社員の声がつぶさに一元管理され、
そこからレポート、外部のデータをかけあわせていくことが可能です。
コミュニケーションを管理するプラットフォーム(Zendesk)と
AIチャットボットやAI検索を組み合わせることで、FAQ検索をより賢いかたちにして、
よりCX・EXを向上していくことができます。
・Zendesk×AI活用事例
ZendeskとAI(チャットbot、検索)を組み合わせてCX・EX向上貢献の事例をご紹介します。
東京電力エナジーパートナー株式会社では、お問い合わせのチャネルが電話だけで、
月間100万件もの膨大な問い合わせに対応していました。
電話チャネルだけで対応していては、オペレーションコストは膨らみ続けるばかり。
コストを抑えるには、効果的なセルフサービスにより入電を抑制すること、
入電後の応対を効率化することの2点が重要となるが、
スクラッチで開発したシステムでは限界がありました。
変化への対応を可能にするZendeskの柔軟性・他サービスとの連携のしやすさが
評価され、Zendeskを導入頂きました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
東京電力エナジーパートナー様:Zendesk事例
その結果、以下の効果を出しました。
・AIを活用したFAQ検索
FAQページの閲覧数が月間40万から100万にアップ
0件ヒット率が50%から10%程度に改善
・AIチャットbot×有人対応
オペレータ効率 2倍
お客様満足度 1.3倍
・これからのCXの考え方
チャットボット、有人チャットだけでなく、
FAQ、ナレッジを上手くいかす、お客様に提供できるように統合・管理するのが
次のステップです。
そして、その次のステップを考えたとき、
チャットだけでない、チャネルを統合するプラットフォームがあった上で、
どういうチャットボットや有人チャットが適切なのか、他のFAQと組み合わせるのか、
そういう考え方が必要になってくる時代です。
チャットだけで全ての応対を完結しないことはみなさまお感じになっていると思いますが、
チャネルを統合するプラットフォームをベースに、最適なチャネルを組み合わせていくのが、
これからのCXの考え方です。
もし、ご質問などございましたら、お気軽にご連絡ください!
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